東京都は21日、企業などに出勤時間帯の分散を促すキャンペーン「時差Biz(ビズ)」の、冬季での取り組みを始めた。夏場の同キャンペーンでは主に出社時間を早めることを呼びかけたが、今回は遅めに出社することを含め多様な勤務形態の実現を目指す。混雑緩和や働き方改革の推進に向け、鉄道各社も後押しする。

キャンペーン開始に合わせ小池百合子知事は同日、フレックスタイム制度や自由に席を選べるオフィスを導入している三菱地所を視察した。同社では早朝勤務者に朝食を無償提供するなどの取り組みを導入している。小池氏は「働き方を変えることで生産性が上がる。企業・働く人双方にプラスだ」と述べ、時差ビズや働き方改革の拡大を訴えた。

鉄道各社も一斉にキャンペーンを始めた。東京急行電鉄はスマートフォンの「東急線アプリ」利用者に、平日の朝限定で沿線のコーヒー店9店で使えるクーポンの配信を始めた。ラッシュ時の朝8時半〜10時にのみ使えるのがポイント。ラッシュ時にコーヒー店でくつろいで電車の利用を避けてもらう狙いだ。

東京メトロは東西線の一部電車で、時差ビズ期間中の平日10日間すべてで早朝乗車に協力した客に、駅構内のそば店の商品引換券を進呈する。

期間中に臨時電車を運行するのは都営地下鉄。平日の午前6時45分に光が丘を出発し、清澄白河に向かう大江戸線の臨時便を走らせる。東京メトロも東西線で臨時電車を運転する。
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