【ラスベガス=奥平和行】ソニーの高木一郎専務は8日、同日に米ラスベガスで開幕した家電・技術見本市「CES」の会場で日本経済新聞などの取材に応じ、中国で生産している米国向けの一部製品について「関税が2倍や25%に引き上げられるのであれば当然、他の国や地域でつくることを考える」と述べた。米中の貿易摩擦の激化を受け、万一の事態に備える。

高木専務は米中対立について「当社は(ビデオカメラなど)製造拠点を中国に置いている品目があり(動向を)注視している」と話した。そのうえで「通常の経営者が考えるようなリスク回避策を考え、対策を取りうる状況になっている」と説明した。

中国市場については「株価の下落により可処分所得が変動し、高額商品の売れ行きが鈍る実態がある」との懸念を示した。一定の影響を販売計画に盛り込む一方、「売れない場合も価格を維持し、利益水準を維持する」という。

米国で7日に発表した高精細な「8K」のテレビについては8Kで制作したコンテンツが乏しいことが課題と指摘した。当面はハイビジョンや4Kのコンテンツの画質を高める技術が重要になるとの考え方を示し、この分野で他社との違いを出す考えだ。販売地域や価格については今春に発表する予定と説明した。
2019/1/9 6:31
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39794040Z00C19A1EAF000/