日銀が12日発表した10月の国内企業物価指数(速報値、2015年平均=100)は102.3となり、2014年11月(102.4)以来、約4年ぶりの高水準となった。前年同月に比べて2.9%上昇し、伸び率は9月確報からやや鈍化したが、22カ月連続で前年同月を上回った。前月比でも0.3%上昇した。

米国によるイラン制裁を背景に、供給面での減少懸念から9月の原油価格が上昇。原油相場の上昇を受けた石油関連製品の値上がりが伸びをけん引した。

品目別では、石油・石炭製品が前年同月比25.5%上昇した。鉄鋼が同4.7%、化学製品は同3.7%上昇した。一方で、非鉄金属は同3.0%下落した。米中間の貿易摩擦への懸念が下押し要因となった。

今後の企業物価動向については「足元で原油価格が大きく下落しているほか、米中貿易摩擦の影響が需要面から押し下げ方向に働く可能性も念頭に置きつつ動向をみていきたい」(日銀調査統計局)という。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2018/11/12 10:23
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL12HSV_S8A111C1000000/