米テスラは7日、同社の独立取締役を兼務する豪通信大手テルストラの女性幹部、ロビン・デンホルム氏が同日付でテスラの会長に就いたと発表した。株式非公開化計画の情報開示をめぐって訴えを起こした米証券取引委員会(SEC)との和解に基づく措置で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は会長職を退いた。

デンホルム氏はオーストラリアと米国の通信業界での経験が長く、現在はテルストラで財務と戦略策定の責任者を務めている。テスラでは2014年から独立取締役を務めていた。会長就任に伴いテルストラの役職は退任する。テスラによると、過去にはトヨタ自動車の豪州法人に7年間勤務した経験もあるという。

マスク氏が8月にツイッター上で表明した株式非公開化計画をめぐり、SECは「資金は確保した」との誤った発言で投資家を欺いたとして9月下旬にマスク氏を相手取り訴えを起こした。10月に成立した和解ではマスク氏と法人としてのテスラがそれぞれ2000万ドル(約22億円)の罰金を払うほか、マスク氏を監督する新たな会長を選任することなどで合意していた。

マスク氏は7日に出した声明の中でデンホルム氏について「テクノロジー産業と自動車産業の両方で豊富な経験を持つ」と紹介。「持続可能なエネルギーの到来を加速し続けるため、ロビンとより緊密に協力することを楽しみにしている」とコメントした。
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