【シリコンバレー=白石武志】独フォルクスワーゲン(VW)は13日、同社の代表的車種である小型車「ビートル」の生産を2019年7月に終えると発表した。ビートルは1930年代のナチスドイツ時代の大衆車構想に源流がある往年の名車。近年は販売が低迷しており、約80年の歴史に幕を閉じることになる。

https://www.nikkei.com/content/pic/20180914/96958A9F889DE1E7E1E4E0E2E1E2E3E6E2EBE0E2E3EA979394E2E2E2-DSXMZO3536219014092018I00001-PB1-2.jpg
「ビートル」は80年の歴史に幕を下ろす=AP

 ビートルは丸みを帯びた独特のフォルムで「カブトムシ」の愛称でも知られる。現行モデルはメキシコ工場で生産する。

 VWは15年秋に発覚した排ガス不正以降、グループ内の車種の見直しや電動化シフトを進めている。

 北米では、ピックアップトラックや多目的スポーツ車(SUV)など大型車のブームに押されて販売が低迷。米国では今年8月までの累計販売台数は約1万1000台と前年実績を割り込んでいた。

 VW米国法人のハインリッヒ・ウェブケン社長はビートルの今後の生産について「ファミリー層に特化し、電動化を推進する取り組みの中で、直ちに代替計画を立てることはできない」とコメントした。

2018/9/14 12:30
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35362030U8A910C1EAF000/