NTTデータとリサーチアンドプライシングテクノロジー・AIファイナンス応用研究所(東京・港)は17日、量子力学を応用した量子コンピューターの金融分野への応用で協業すると発表した。量子コンピューターのスーパーコンピューターを上回る性能を活用し、資産運用や金融商品の取引に生かす。

 まず、金融資産のポートフォリオ(資産運用)をどう配分するか、最適な方法を探るために活用する。資産の所有期間や取引コストなど、様々な条件の組み合わせを考慮した複雑なシミュレーションで算出する。

 リスク管理業務におけるシミュレーションについても活用する。金融市場の価格変動リスクや信用リスクといった多数のリスク要因を組み合わせてシミュレーションを実施する。

 両分野とも、現行方式のコンピューターでは計算に大幅な時間がかかり実用的ではない。一方、高速な並列処理が可能な量子コンピューターは、このような問題の解決に向くとされている。

 そこでNTTデータは量子コンピューターの利用方法の検討や実験をする。AIファイナンス応用研究所は金融工学や数理技術に関するノウハウをNTTデータに提供する。さらに両社で事業化の可能性を探る。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34278350X10C18A8X20000/