[シリコンバレー=白石武志]米フェイスブックが25日発表した2018年4〜6月期決算は、純利益が前年同期比31%増の51億600万ドル(約5600億円)と四半期ベースで過去最高を更新した。ただ、個人情報保護規制が強化された欧州では利用者が減少し、偽ニュース対策に伴う費用増などで収益力には陰りが見え始めた。25日の時間外取引で同社株は終値に比べ一時20%超急落した。

18年4〜6月期の売上高は132億3100万ドルと42%増加したが、伸び率は18年1〜3月期の49%増に比べ7ポイント低下した。売上高のうち99%を占める広告事業も42%増え130億3800万ドルとなったものの、新興国の通貨安の影響も重なって市場予想(131億6000万ドル)を下回り、成長力は従来の力強さを欠いた。

5月25日に「一般データ保護規則(GDPR)」が施行した欧州では1日あたりの利用者数(DAU)が18年1〜3月期に比べ1%減少した。足元の収益への影響はみられないとしているものの、今後は広告販売に影響を与える可能性がある。25日に電話会見したデビッド・ウェーナー最高財務責任者(CFO)は「18年下半期も売上高の成長率は減速が続く」と述べた。

フェイスブックでは偽ニュース対策などのためにサービスの監視要員を増やしており、6月末時点の従業員数は1年前に比べ47%増え3万275人に達した。データセンターなどインフラ投資も拡大しており、18年12月期通期の総費用は前年同期に比べ50〜60%増加するとみている。ウェーナーCFOは18年4〜6月期に44%だった営業利益率について「今後数年間は30%台半ばに向かって推移する」との見通しも示した。

2018年7月26日 8:43 日本経済新聞
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