発売たちまち重版が決定した話題の『数字は人格――できる人はどんな数字を見て、どこまで数字で判断しているか』に関して、「書いてはマズイ全51社のエピソードと、99%の社長が勘違いしている“人を育てる数字・ダメにする数字”を書き尽くしてしまった。“数字は人格”には魔力がひそんでいる」と小山氏。
企業の不正発覚が相次ぐ中、なぜいま「数字は人格」なのか?
全国を飛び回っている分刻みのスケジュールの小山氏をついにつかまえた!

社員を数字に強くしたいなら、社員がいつでも自由に会社の数字を見られる環境を整えておく必要があります。

多くの会社は会計の数字を非公開にして、社長や幹部だけが見ている。
これは野球で言えば、スコアボードを隠して選手に試合をやらせているようなもの。

監督がスコアボードをひとりじめして選手に隠すのは間違い。

スコアボードをみんなに公開すると、社員もやる気になります。
モチベーションの問題だけではありません。

1点差で勝っているときと5点差で負けているときでは、打席や塁に出たときの行動が変わります。

1点差で勝っているときにバントをするのはいいですが、9回に5点差で負けているのに送りバントをするのはありえない。

いまこの状況に必要とされる行動は何か。
その判断力を養うためにも、スコアボードの公開が必須です。

わが社では、ほとんどの数字がガラス張り。
私の役員報酬も公開されていて、社員も知っています。

自分の給料がバレると、社員に「もらいすぎだ」と妬まれる?

社員に妬まれるとしたら、もらいすぎなのではなく、社長にふさわしい働きをしていないからです。

役員報酬は1億円でも
文句が出ない理由

私の役員報酬は1億円ですが、私の「かばん持ち」の研修プログラムだけで年間8000万円の売上があります。

「かばん持ち」を差し引いて社長業が2000万円なら給料は安いものです。

そこも含めてガラス張りなので、誰からも文句は出ません。

月末には、各部門別のP/L(損益計算書)を経理が公表します。
経費の内訳も公表されるので、部門長は「今月は交通費が多い」と感じたら、自分で内訳をチェックできます。

ときどきよその部門の交通費がついていることがあり、放置すると自部門の利益が減って賞与に悪影響が出る。
だから部門長は自ら進んで数字を見に行きます。

このとき大事なのは、数字も“環境整備”しておくことです。

社内システムのどこにアクセスすれば、どの数字を見られるのか。
それが明確になっていないと、見たいときに数字を見られずにストレスが溜まり、しまいには数字を見なくなります。

会社の数字は、包み隠さず公開する。

公開した数字は整理整頓して、社員がいつでもアクセスできるようにしておく。
この2つさえ揃っていれば、社員は数字を身近に感じられます。
以下ソース
https://diamond.jp/articles/-/168060