世界知的所有権機関(WIPO)などが10日公表した2018年版の「技術革新ランキング」によると、中国は前年より5つ順位を上げ17位となり、ランキング開始以来、初めて上位20位に入った。研究開発を重視する政策が知識集約型産業への転換を導いていると評価された。スイスが首位、日本は前年より順位を1つ上げて13位だった。

 中国の上位20位入りは、技術革新の先進地域となったことを意味し、WIPOのガリー事務局長は「多極的な技術革新の時代の到来を告げている」と強調した。ランキングは世界126カ国・地域を調査。オランダが2位、スウェーデンが3位、米国が6位と上位は欧米勢が中心となった。

 中国は15年版までは29位が最高だったが、ここ数年急速に順位を上げていた。特に調査研究分野への投資や人材、特許出願数、科学技術関係の出版物数で米国に匹敵する成果を上げているとし、「中国の技術革新の能力上昇は明らかだ」と指摘した。

 ランキングはWIPOや米コーネル大などがまとめているもので、知的所有権の出願率、モバイルアプリの開発、市場やビジネスの成熟性など80の指標に基づき指数化している。07年版から公表されている。(ジュネーブ 共同)
2018.7.11 05:00
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/180711/mca1807110500007-n1.htm