めぶきフィナンシャルグループ傘下の常陽銀行は震度6強以上の地震が発生した際に、借入金の元本返済を免除する企業融資を始めた。取引先企業の事業継続や地震へのリスク対策といったニーズに応える。

融資は水戸市、茨城県土浦市、東京都千代田区、宇都宮市、福島県郡山市のいずれかに企業自身や取引先の拠点があることが前提。震度6強以上を観測した場合に元本の50%か100%を免除する。割合は契約時に選択する。融資金額は1億円以上で、期間は5年。

元本免除は地震発生時に直接被害がなくても適用される。返済免除を受けると特別利益として債務免除益が発生するため、財務悪化も抑えることができる。日本政策投資銀行の協力を得て商品を開発した。

政府予測によると、30年以内に震度6弱以上の大地震に遭う確率は水戸市で81%。2011年の東日本大震災で被災した経験も踏まえ、地震による被害や影響に備える動きを後押しする。

2018年7月10日 21:56 日本経済新聞
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