・貿易収支は3038億円の赤字、赤字は4カ月ぶり−原油価格上昇で
・1次所得収支は23.2%増の2兆3980億円の黒字と過去最大

モノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、黒字幅が2か月ぶりに拡大した。
市場予想も上回った。黒字は47カ月連続。財務省が9日発表した。

■キーポイント

・経常収支は前年同月比14.5%増の1兆9383億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は1兆2660億円の黒字)
−黒字幅は2か月ぶりに拡大
・輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3038億円の赤字(予想は4831億円の赤字)−赤字は4カ月ぶり
・海外配当金や債券利子などの第1次所得収支は23.2%増の2兆3980億円の黒字−黒字幅は2カ月連続拡大

■エコノミストの見方

・野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは電話取材で、
貿易収支の赤字について原油高が輸入金額を押し上げたことが一因と指摘。
米国発の貿易摩擦のリスクは高い状態が続くとしながらも、第1次所得収支が強いので、
基本的に経常収支の黒字は変わらないとし、通年では黒字を維持するとの見方を示した。

■詳細

・第1次所得収支は比較可能な1985年以降、過去最高−海外子会社からの配当収入増で黒字幅が大幅に拡大
・サービス収支は423億円と2カ月ぶりの黒字−旅行収支が訪日外国人旅行者の増加で5月として過去最高の2113億円

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Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-07-09/PBDYCP6TTDSD01