イタリアの政治危機が引き金となり、ユーロ圏の債券利回りが急上昇する中で、
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のエッティンガー委員(予算・人事担当)は、
ドイツの国際放送ドイチェ・ベレとのインタビューで、
金融市場が今後非常に不安定化すると予想されるため、
そうした状況がイタリアの有権者に主流派以外の政党に背を向けるよう教えるはずだと語った。
インタビュー動画の抜粋をドイチェ・ベレがツイッターで公開した。
エッティンガー委員はその後、この発言について謝罪した。

  エッティンガー委員はインタビューで、
「イタリア経済と国債、市場の動きが劇的な影響を受ける恐れがあり、
それが左右のポピュリスト政党に投票すべきでないという有権者へのメッセージとして働くことが
今後数週間のうちに示されるだろう」と発言。既に見られる市場の動揺が、
ナショナリスト(国家主義者)グループに「政権を渡さないよう」有権者に促すことを願うのみだと述べた。

  これに対し、トゥスクEU大統領(常任議長)は
「全てのEU機関に私が訴えたいのは、有権者を尊重してほしいということだ。
われわれの役割は彼らのために働くことであり、イタリアの有権者に講義することではない」とツイート。
欧州委のユンケル委員長も「イタリアの運命は金融市場の手に委ねられていない」と言明し、
欧州委の首席報道官は、エッティンガー委員の発言について「賢明でない」と指摘した。

画像:欧州委員会のエッティンガー委員(予算・人事担当)
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Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-29/P9IJEB6KLVR401