【ニューヨーク=中山修志、ロンドン=篠崎健太】欧州連合(EU)各国で25日、米国の複数の新聞社のニュースサイトが閲覧できない状態になった。EUは同日、個人データの保護を大幅に強化する「一般データ保護規則(GDPR)」を施行。一部のメディアは個人データの管理体制の見直しなどの対応が間に合わず、一時的にサイトの閲覧停止に踏み切ったとみられる。

https://www.nikkei.com/content/pic/20180526/96958A9F889DE1E3E2E2EBEAE1E2E0E4E2E7E0E2E3EA9F9FE2E2E2E2-DSXMZO3100978026052018MM0001-PN1-4.jpg
欧州から閲覧できなくなった米紙ロサンゼルス・タイムズのサイト画面(26日、ロンドン)

サイトが閲覧できなくなったのは、米有力紙ロサンゼルス(LA)・タイムズやシカゴ・トリビューン、オーランド・センチネルなど。LAタイムズのサイトには「ウェブサイトは現在、欧州のほとんどの国で利用できません。対応策を検討中です」というメッセージが表示されている。

米紙ワシントン・ポストのサイトでは、利用者が閲覧情報を記録する「クッキー」の利用などに同意しなければ閲覧できないようにした。USAトゥデーはEU域内向けに、広告をすべて削除した専用サイトを用意した。日本を含めたその他の外国の主要メディアでは閲覧停止の動きは確認されていない。

25日に施行されたGDPRは、どの国の企業かに関係なく個人データの取得や処理の方法、域外への持ち出しを厳しく規制する。違反した企業には巨額の制裁金を科す。

個人データの保護を訴える団体などがGDPRの施行に併せて大手IT(情報技術)企業を訴える動きもあり、企業側は対応を求められている。

(スレ立て依頼から)
2018年5月26日 11:06
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31009830W8A520C1MM0000/