グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」の生みの親として知られるアンディ・ルービン氏が共同で創業した新興企業エッセンシャル・プロダクツは、身売りを検討しており、新たなスマートフォンの開発を中止した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者によると、エッセンシャルは身売りに関する助言役としてクレディ・スイス・グループを起用し、少なくとも買い手候補1社が関心を寄せている。同社はアマゾン・ドット・コム、テンセント・ホールディングス(騰訊)、レッドポイント・ベンチャーズなどの出資者から約3億ドル(約330億円)を調達。未公開株市場を運営するエクイデートの分析によると、同社の価値は1年前に9億−10億ドルと評価された。

エッセンシャルはまた、昨年発表したスマホ「エッセンシャル・フォン」の製造パートナーである台湾の鴻海精密工業からも出資を受けている。米スプリントは、エッセンシャルのスマホが発表された際、大規模な販売キャンペーンに着手した。関係者によれば、エッセンシャルは最初の製品の開発に1億ドル余りを投じたという。


匿名を条件に語った関係者によると、現時点で協議の中心となっているのは、特許ポートフォリオやハードウエア製品を含む会社全体の売却だ。エッセンシャルのエンジニアリング関連の人材も交渉の対象となる公算が大きい。関係者によれば、同社はまだ身売りについて最終決定に至っていないという。

エッセンシャルの広報担当者は24日、同社の将来についてコメントを控えた。クレディ・スイスの広報担当者にもコメントを求めたが、これまでのところ返答は得られていない。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-25/P99RNT6K50XW01