米配車大手のウーバー・テクノロジーズは22日、今夏から兵庫県淡路島で事業を始めると発表した。日本への本格進出の第1弾。島内のタクシー会社に人工知能(AI)を活用した配車システムを有償で提供。急増する訪日観光客や、高齢者らの呼び出しに迅速に対応して実績を積み、全国の大都市への展開を狙う。

米ウーバーの経営幹部で海外事業を統括するブルックス・エントウィッスル氏は共同通信の取材に対し「既に東京や大阪などの大都市で、20社以上のタクシー会社と交渉を進めている」と語った。

兵庫県など地元自治体が配車サービスへ高い関心を持つことから淡路島を最初の進出地に選んだ。原則、島内での利用に限定して来年3月末までシステムを検証する。

米ウーバーのサービスは、利用者がスマートフォンに専用アプリをダウンロードし、配車を依頼する。従来に比べて短時間で呼び寄せられるほか、アプリ上で運賃の支払いも可能としている。

米ウーバーは大都市に照準を合わせているが、公共交通インフラが十分に整備されていない地域でもタクシーは重要な移動手段になっている。エントウィッスル氏は「地方を中心に移動手段に悩みを抱える高齢者がたくさんいる。高齢化で需要が高まる地域交通を支援したい」と意気込みを語った。

JTBはタクシーに定額で何度でも乗れるサービスを順次拡大する計画。自治体を巻き込んだ新たなサービスが今後も登場しそうだ。
2018.5.23 05:00
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180523/bsd1805230500004-n1.htm