現金を使わないキャッシュレスが広がる中、三菱UFJ銀行は、みずから開発を進めているデジタル通貨を買い物の支払いなどに広く利用してもらう、10万人規模の大がかりな実証実験を来年にも行う方針です。

世界的にキャッシュレス化が進む中、三菱UFJ銀行は1コインが1円に相当する独自のデジタル通貨「MUFGコイン」の実用化を目指しています。

こうした中、三菱UFJはこのコインを使った大がかりな実証実験を、来年にも地域を限定して実施する方針です。

公募する銀行の顧客10万人規模を想定していて、利用者はスマートフォンに専用のアプリを入れたうえで、口座の預金をデジタル通貨に替えて使います。

コンビニや飲食店、デパートでの支払いのほか、割り勘など個人間の送金にも利用してもらい、決済がスムーズに行われるかや、セキュリティー面で問題がないかなどを検証します。

また、幅広い業種の企業と連携し、例えば電車を利用する際、ラッシュの時間帯を避けた人にコインを付与するなど、デジタル通貨を活用したさまざまなサービスも検討します。

金融とITが融合する「フィンテック」が急速に広がる中、IT企業がスマートフォンを通じた「QRコード決済」に相次いで参入するなど、金融サービスは業界の垣根を越えた競争が激しくなっていて、各銀行はキャッシュレス社会の到来を見据えた戦略が問われています。
5月15日 2時01分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180515/k10011438371000.html