「今日は何を着たらいいの」――。忙しい朝、悩む必要がなくなるかもしれない。スマートフォン(アプリ)を開発するスタンディングオベーション(東京・渋谷、荻田芳宏社長)はIT(情報技術)を活用して、自分が持っている服のなかから1週間分の着こなしを自動提案するサービスを始めた。

着こなしのお手本となるスナップ写真を5000枚ほど機械に学習させ、コーディネートを自動提案するアルゴリズムを開発した。利用者はまず、同社が運営するアプリ「XZ(クローゼット)」に持っている服の情報を登録。すると、アプリが天気予報などを考慮してシャツやズボン、スカートなどの品目ごとに1日あたり3案、計21案の着こなしを示してくれる。

提案された服装が気に入らなければ、利用者はアプリのボタンを押すことで違う服装を瞬時に再提案する。気に入ればアプリ内に着回しプランを登録して蓄積できるほか、カレンダーアプリとも連携していつ何を着たか履歴を管理できる。

利用者が持っている服が少ない場合は既製服も組み合わせて提案する。現在は色合いやその日の気温などを考慮しているが、今後は年齢や利用者ごとの好みも反映する考えだ。

スタンディングオベーションは2014年の創業。利用者同士で着こなしを提案しあえるアプリは50万のダウンロードがある。利用は無料でアプリ内の広告が主な収入源。今回の自動提案機能も無料となる。

荻田社長は「新しい機能の導入でタンスに眠る在庫を有効活用できる」とみている。男性向けにも展開し、早期に100万ダウンロードをめざす。(鈴木健二朗)
2018/5/14 11:30
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30408700R10C18A5000000/