ロイター 2018年5月8日 / 17:07
https://jp.reuters.com/article/mitsui-multigrain-idJPKBN1I90QK
(三井物産の株価推移)
https://www.reuters.wallst.com/reuters/next/chart/chartsgen2?symbols=8031.T&;numberOfDays=90&width=286&height=178&realtime=0&scaleFactor=2&ChartsGen2=true

[東京 8日 ロイター] - 三井物産 (8031.T)は8日、ブラジルで穀物集荷事業などを手掛ける
マルチグレイン(本社スイス)から撤退すると発表した。過当競争で黒字化が難しいと判断した。
12月末までにオペレーションを停止する。

内田貴和・最高財務責任者(CFO)は会見で「撤退に伴う一時損失を2018年3月期に計上済みで、
同期で止血できた」と語った。

2018年3月期に撤退に伴う引当金など382億円を計上した。損益に対して477億円の下押し要因となった。
広報担当者によると、これまでの累計損失は「数百億円レベル」という。

内田CFOは「損失の直接的な要因は新規参入者の増加による過当競争の激化だが、競争環境変化の
リスクに対応した資本投下だっのか、優位なオペレーション構築にはパートナリングが必要だったのではないかなど、
大きな学びがあった」と述べ、「この学びをさらなる経営改善につなげていく」と強調した。

三井物産は2011年までに約470億円を投じてマルチグレインを完全子会社化したが、
競争環境の悪化からここ数年は赤字続きで、売却を含めた抜本的な対策を迫られていた。