日本能率協会(JMA)は柔軟で個人が能力を十分に発揮できる新しい働き方の実現に向けて、2020年に有給休暇100%消化や将来的な「残業時間ゼロ」の達成などを目指す行動計画を策定した。「時間と場所にとらわれない働き方」(吉田正理事長)を推進するのが狙いで、4月に新たに「働き方推進室」を設けた。産業界の経営革新を推進する公益法人として自らの実践を踏まえ、企業、産業界に新しい働き方を提案する。

「超JMAワークスタイルチャレンジ」と名付けた行動計画は時間と空間、個人の能力を有効に組み合わせ、生産性向上を引き出すことを基本とした。JMAは個人の成長を通じて組織活性化、社会性を備えた組織形成につなげる「KAIKA経営」を提唱しており、その理論に沿った新しい働き方定着に取り組む。

行動計画には有給休暇の取得促進や残業時間削減のほか、今年度中の副業・兼業の制度化や人事制度と人事評価制度の見直しなどを盛り込んだ。また人材育成・組織開発、産業振興など既存の4事業の枠にこだわらない職員からの提案を新事業創出につなげる「新価値創造事業開発制度(JMAイノベーションラボ)」を4月に創設、柔軟な働き方で得る職員の意識変革などの成果を事業戦略に反映する。

これに先立ち、JMAはリノベーション(大規模改修)を終えた本部(東京都港区)への移転に伴い、今年1月からオフィスに固定席を設けないフリーアドレスや時差出勤制度の導入、モバイルワークの推進など新しい働き方を取り入れた。今後は、新設した働き方推進室を中心に行動計画の着実な実行や管理職・職員の意識改革を通じて、柔軟で個人の能力を引き出す働き方改革を加速する。
2018.5.1 05:31
https://www.sankeibiz.jp/business/news/180501/bsc1805010500002-n1.htm