NHK NEWS WEB 4月27日 21時54分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180427/k10011421121000.html

雪印メグミルクの子会社で、作物の種や飼料などを販売している「雪印種苗」は、長年にわたって
牧草などの種の品種偽装を重ね、その事実を隠蔽していたことを明らかにしました。問題の責任を取って
赤石社長が辞任し、役員が27日夜、記者会見を開き、謝罪しました。

偽装を行っていたのは、雪印メグミルクの子会社で、札幌市に本社がある「雪印種苗」です。

雪印種苗と雪印メグミルクは27日夜、札幌市内で記者会見を開き、経緯を説明しました。

それによりますと、雪印種苗は牧草用の種子などを販売する際に、不足分を補ったり在庫処理をしたりする目的で
別の品種に偽装したり、ほかの品種を混ぜたりして販売していました。

こうした偽装は、平成14年に別のグループ会社で牛肉の偽装が発覚するまで、長年にわたって
組織的に行われていたということです。

さらに平成14年以降も、雪印種苗は偽装を公表せずに隠蔽していたうえ、その後も少なくとも2つの品種で
合わせて4件の偽装があり、ほかにも偽装かどうか判断できないケースも多数あったということです。

雪印種苗はこうした偽装について、平成26年に内部関係者と見られる人からの告発などを受けて
社内調査をしましたが、その際、一部の役員らが証拠隠滅や事実と異なる話をするなど、
隠蔽も行われていたということです。

笠松宏一副社長は会見で「多大なるご迷惑とご心配をおかけしました。今回のことを真摯(しんし)に受け止め、
再発防止に全員で取り組んでまいります」と謝罪したうえで、一連の偽装や隠蔽について
「会社の売り上げや利益につながるような誤った判断や、情報を開示しないという風土が根底にあり、
『隠蔽偽装』という形になったのではないかと考えている」と述べました。

雪印種苗は品種を偽装した以外にも、牧草や飼料、作物の種の品種名を表示しないまま販売するなどの
行為も行っていたということです。

問題の責任を取って、雪印種苗の赤石真人社長が27日に辞任し、親会社の雪印メグミルクの社長など役員も
報酬の減額を予定しているということです。