新日鉄住金(5401)が26日発表した2018年3月期の連結決算は、純利益が前の期比49%増の1950億円だった。景気拡大で鋼材需要が増えたため、販売価格が上昇した。17年3月に子会社化した日新製鋼も通期で業績に寄与した。

 売上高は22%増の5兆6686億円、経常利益は71%増の2975億円となった。主力の製鉄事業の経常利益は78%増の2457億円と大きく伸びた。化学事業の経常利益は3.4倍の154億円だった。スマートフォン向けの回路基板やディスプレー材料の販売数量が過去最高を更新した。化学品の主力製品であるスチレンモノマーの需要も増えた。

 同日記者会見した宮本勝弘副社長執行役員は「日本の鋼材価格は他の国に比べても低い。原料価格は上がっており、さらなる値上げによって価格転嫁しなければならない」との考えを示した。

 年間配当は1株あたり70円(前の期は45円)とした。19年3月期の連結業績予想は前年度と同様に非開示とした。

 米国の関税引き上げの影響について宮本副社長は「米国への輸出は出荷額全体の2%程度でほとんど影響はない」と説明。一方で「米国以外の国も貿易障壁をたてることを憂慮している」と述べた。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

2018/4/26 14:23
日本経済新聞
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