京都府亀岡市で無免許運転の少年の車が小学生の列に突っ込み、10人が死傷した事故から23日で6年になり、事故で亡くなった女性の父親は、京都市内での講演で、交通事故や犯罪の加害者の社会復帰などを支援する団体を設立する考えを明らかにしました。

平成24年4月23日、京都府亀岡市で、無免許で居眠り運転をしていた当時18歳の少年の車が、登校中の小学生の列に突っ込み、児童2人と、子どもたちに付き添っていた松村幸姫さん(当時26)が死亡し、7人が重軽傷を負いました。松村さんのおなかの赤ちゃんも助かりませんでした。

事故から6年がたった23日、松村さんの父親の中江美則さんが京都市内で講演し、これまでの犯罪被害者の支援活動を振り返りました。

中江さんは、犯罪で罪に問われ社会復帰した人と職場で一緒に働いた経験を紹介し「苦しむ人を減らすには、加害者を少なくすることも重要だと思うようになった」と述べました。

そのうえで、事故や犯罪の加害者の社会復帰などを支援する団体を新たに設立することを明らかにしました。

中江さんは「加害者たちには、目を背けずに犠牲者の苦しみを見つめてもらい、自分の犯罪を憎むことによって更生してもらいたい」と話しています。

東名で亡くなった夫婦の遺族も
23日の講演会には、去年6月、神奈川県の東名高速道路でいわゆる「あおり運転」を受けた末に亡くなった夫婦の遺族も出席しました。

息子夫婦を亡くした萩山文子さん(77)は、NHKの取材に対し「事故の悲しい記憶を思い出さないように1年を過ごして来ました。中江さんが講演などを通じて被害者の支援や加害者の更生に熱心に活動していることに驚きました」と話していました。
4月23日 19時03分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180423/k10011414581000.html