京セラと東京センチュリーは19日、千葉県の工業用水ダムの水上に建設した大規模太陽光発電所(メガソーラー)の竣工式を開いた。出力は水上としては国内最大となる1万3700キロワット。国内でメガソーラー向け用地が減少するなか、水上案件は発電効率が高く造成費用を抑えられるとして注目されている。

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水面に京セラ製の太陽光発電パネル約5万1000枚を敷いた

 両社が出資する京セラTCLソーラー(東京・千代田)が同県市原市の山倉ダムの水上で、今月初旬に発電を始めた。県企業庁が管理するダムの水面約18万平方メートルに、京セラ製の太陽光発電パネル約5万1000枚を敷いた。投資額は非公表。

 紫外線や腐食に強い高密度ポリエチレン製のフローティング材の上にパネルを並べた。固定価格買い取り制度(FIT)を活用し、東京電力エナジーパートナーに1キロワット時当たり32円で売電する。年間で約5000世帯の電力消費量に当たる1617万キロワット時を発電する。

 太陽光パネルは夏の昼間など温度が上がり過ぎると発電効率が下がる傾向がある。一方、水上ではダムの水面がパネルを冷やし、地上よりも数%発電効率が上がる。フローティング材が必要だが、土地の造成費用が要らず事業費を抑えられる。

 京セラのソーラーエネルギー事業本部、小谷野俊秀副本部長は「日本に広い土地は少ないが、遊休地を生かして分散型の発電所を建てていきたい」と話した。水上の案件はため池の多い西日本を中心に稼働が相次いでいる。京セラTCLソーラーが運営する水上太陽光発電所は7件目という。

2018/3/20 12:14
日本経済新聞
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