トランプ米大統領の長女、イバンカ大統領補佐官が23日午後、平昌五輪閉会式出席のため訪韓した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は国賓級のもてなしでイバンカ氏を迎える。韓国大統領府が同日明らかにした夕食会の概要によると、メニューはユダヤ教徒のイバンカ氏に配慮して食事戒律「コーシャ」に沿った食材や調理法を厳選。食後は伝統楽器で米国の民謡を生演奏する。

文氏は10日、平昌五輪開会式出席のため訪韓した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の妹、与正氏と昼食をともにし手厚くもてなした。韓国大統領府は、与正氏の滞在中に韓国政府が4回も食事会を開いたことで「過剰接待」と批判を受けたこともあり、イバンカ氏の夕食会に並々ならぬ神経を注ぐ。

 イバンカ氏一行との夕食の献立は韓国料理で、レンコンとナシのサラダと栗とナツメのかゆの前菜に続いて、みそのソースを添えた済州島産ノドグロ焼き、メインに牛肉カルビを提供する。

 ただ、「宗教上の理由」(大統領府)などから甲殻類や刺し身、肉類などは出さない。食事は旬の山菜を載せたビビンパともやしのスープ。よく混ぜて食べるビビンパは「和合の象徴」(同)で、良好な米韓同盟を演出する。

 酒は韓国中部のワインの産地、嶺東(ヨンドン)の白ワイン「呂布の夢」と、米カリフォルニア州ナパバレーの赤ワインが提供される。

 食後は国立国楽管弦楽団の奏者が、韓国の伝統楽器、伽耶琴(カヤグム)などで「いとしのクレメンタイン」などを演奏。音響機器を使わない生演奏で、韓国の風情を伝えるとしている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27295780T20C18A2FF8000/