政府は2日、分野を横断して科学技術の革新をめざす「統合イノベーション戦略」(仮称)策定に向けた会議の初会合を首相官邸で開いた。人工知能(AI)や大学改革などの重点分野ごとに分科会を設置し、6月までをめどに新たな戦略をつくる。分野別に乱立していた戦略本部をつなぎ、各省庁が連携して政策を具体化する。

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「イノベーション戦略調整会議」の初会合であいさつする菅官房長官=右端(2日午前、首相官邸)=共同

 「イノベーション戦略調整会議」は菅義偉官房長官が議長を務め、松山政司科技相ら関係閣僚が参加した。新たな戦略の重点分野として、AIやバイオテクノロジーなどを提示。民間資金の獲得や若手研究者の育成に積極的な大学の支援などの大学改革、官民によるデータ連携基盤の整備も重点課題として掲げる。

 菅官房長官は会議の冒頭、「世界の競争で生き残るために、基礎研究から社会実装まで一気通貫の戦略を策定する必要がある」と表明。「具体的な政策を速やかに実行することが必要だ」と述べ、関係省庁横断で重点分野の技術開発を支援する体制をつくるよう指示した。新戦略は昨年12月に安倍晋三首相が策定を指示した。

2018/2/2 9:30
日本経済新聞
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