仮想通貨取引所のコインチェック(東京・渋谷)で580億円分の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題。仮想通貨は、取引価格が急上昇した2017年末ごろから若年層を中心に利用者が急拡大した。同社ではネム以外の通貨保有者も入出金ができなくなっており、利用者の間で不安が広がっている。

26日の問題発覚直後から、東京都渋谷区の同社本社前には心配になった利用者らが集まった。同日夜に都内で始まった記者会見では、同社は影響を受ける人数は「調査中」、補償についても「検討中」などとして、明らかにしなかった。

 東京都杉並区の男性(30)は27日朝、契約解除を求めて本社を訪れたが、中からの反応はなかった。

 2017年12月から計85万円を入金し、仮想通貨「リップル」を売買している。「昨日から入出金も取引もできない。セキュリティーは万全と言っていたのに、話が違う」と憤った。

 年明けの価格が高騰した局面では一時、通貨の保有額が数倍にふくれあがった。友人でも仮想通貨の取引をしている人が多いという。「どうしてこんなことに。倒産されたら困る」

 短文投稿サイト、ツイッターでは26日以降、「私の3000万円が消し飛びました」「(コインチェックから銀行口座に)送金したのに反映されない」と訴える利用者の声が相次いだ。

 「セキュリティー緩すぎ」と批判するつぶやき、「取引所はよく調べないと怖い」「仮想通貨全体の信用が下がった」などとする投稿もあった。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26234600X20C18A1CR0000/