https://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/src.wwdjapan.com/admin/v2/wp-content/uploads/2018/01/12165405/180112_vintage_01.jpg
東急ハンズ 渋谷店は、ビンテージウエアのポップアップイベント「渋谷オルガン坂ニューイヤー蚤の市」を行っている。日本最大級のビンテージハリスツイード通販サイトである「ヘイ ジェントルマン カフェ(HEY GENTLEMAN CAFE)」「アディダス(ADIDAS)」の西ドイツ製ジャージーやチロルジャケットに強いオンラインショップの「ハローサンライト(HELLO SUNLIGHT)」、東日本橋にある古道具店のノーコンセプト(NOCONCEPT)というそれぞれタイプの異なる3社に、2つのサイクルウエアブランドを加え、21日まで開催する。主力アイテムは3万円台のジャケットで、2週間で500万円の売り上げを見込む。

 同店はトラベルグッズ売り場だった、井の頭通りに面したB2Cフロアを2014年にイベントスペースに刷新。東急ハンズとビンテージウエアの組み合わせはイメージしづらいが、小林斉B2CフロアMDプランナーは「僕自身、初めは半信半疑でした(笑)。ただ場所柄、お客さまにはファッションやテレビの関係者が多く、思い切ってニッチにすることで、別目的で来店した方にも響くようになった」と振り返る。

 妖怪や鉄道をテーマにするなどファッション以外の催しも同店では多いが、共通するのは「通常、東急ハンズで扱っていないもの」だという。「ファッションにしても新品を扱うつもりはない。われわれはあくまで東急ハンズであり、百貨店やファッションビルではないので」と言う。

 直近のヒット企画は、1970〜80年代の古着のワンピース、それも日本製にフォーカスしたもの。4900〜5900円という低価格帯が20代女性や外国人客に受け、2週間で120万円を売り上げた。開催中の「渋谷オルガン坂ニューイヤー蚤の市」はコアターゲットを40代以上の男性とし、客単価を3万円台としている。「渋谷周辺のクリエイター層には即決できる額で、土日に増えるファミリー層にも小遣いで買える想定だ」と小林MDプランナー。家族と訪れた男性がこっそり取り置きを依頼し、後日再訪する例があるという。

 「何でもある」東急ハンズに、これまでなかったビンテージウエア。「2000円以下」という東急ハンズ全体の客単価に対して、3万円台のツイードジャケットは高額だが、1月7日の日曜日には1日で60万円を売り上げ、小林MDプランナーが掲げる500万円達成に向けて弾みをつけた。ねじやペンキを買いに来た客をも振り返らせ、財布を開けさせる力が、ニッチにセグメントして濃度を高めたこのスペースにはあるようだ。
https://www.wwdjapan.com/532905