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2017年12月30日14時11分
 【シドニー時事】オーストラリアの景気拡大期間が26年超に及び、先進国としては異例の長さとなっている。豊富な鉱物・エネルギー資源や、多文化主義に象徴される多くの移民が経済成長の源泉だが、海外に商機を見いだそうとする日本マネーの動きも見逃せない。

 豪州の今年7〜9月期の実質GDP(国内総生産)は、季節調整済みで前期比0.6%増となった。2四半期以上連続でのマイナス成長と定義される「景気後退」を回避した期間は、これで105四半期、26年3カ月に及んだ。

 世界経済はこの間、2001年前後のITバブル崩壊、08年のリーマン・ショックなどに見舞われ、多くの先進国は不況に陥った。しかし、「豪州では危機になると豪ドル相場が下落して輸出が増え、問題は深刻化しなかった」(エコノミスト)。「有事の円高」に悩まされる日本とは対照的だ。

 豪州は成長に必要な資金の多くを海外からの投資マネーに頼っている。豪州への直接投資残高で日本は米国に次ぐ2位。16年までの6年間で78%増やし、残高が約909億豪ドル(約7兆8000億円)となった。「金融、法規制が安定している」(邦銀)ことが魅力という。