韓国サムスン電子は31日、代表権を持つ60代の取締役3人全員が来年3月に退任する人事を発表した。後任には50代の幹部を任命。世代交代を進める。サムスングループを事実上率いる李在鎔(イ・ジェヨン)副会長(49)に近い世代を抜てきし、同氏中心の経営陣に刷新する。父親で闘病中の李健熙(イ・ゴンヒ)会長(75)から3代目の会長職を引き継ぐ土台が整う。

半導体部門を統括する権五鉉(クォン・オヒョン)副会長(65)、スマートフォン(スマホ)事業を主体とする「IT&モバイル」部門を率いる申宗均(シン・ジョンギュン)副会長(61)、家電部門を束ねる尹富根(ユン・ブグン)社長(64)が退く。3人は取締役を残る任期の来年3月まで続ける一方、各事業部門を統括する担当役員の職は31日付で交代した。

 後任には、半導体部門が金奇南社長(59)、IT&モバイルは高東真(コ・ドンジン)社長(56)、家電は金R?(キム・ヒョンソク)社長(56)が就いた。3人は来年3月の定時株主総会後に代表取締役に就く見通し。最高財務責任者(CFO)の李相勲(イ・サンフン)社長(61)が同3月に取締役に復帰した上で、権副会長が兼務していた取締役会議長を継ぐ人事も内定した。
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