EU=ヨーロッパ連合は、アメリカのネット通販大手アマゾン・ドット・コムへの法人税を違法に優遇したとして、ルクセンブルク政府に対しておよそ330億円の追徴課税をアマゾン側に行うよう命じました。
EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会は、ルクセンブルク政府が自国内に子会社を置くアマゾン・ドット・コムに対して、法人税を違法に優遇している疑いがあるとして、3年前から調査を続けてきました。

その結果、ヨーロッパ委員会は、法人税の優遇は2003年から行われ、公正な競争を妨げるとしてEUが禁じている「国家補助」にあたると判断し、4日、およそ2億5000万ユーロ(日本円にして330億円余り)の追徴課税をアマゾンに対して行うようルクセンブルク政府に命じました。

記者会見を開いたヨーロッパ委員会のベステアー委員は「違法な優遇の結果、利益のおよそ4分の3が課税されてこなかった」と指摘し、ルクセンブルク政府を批判しました。

これに対してルクセンブルク政府は声明を出し「国家補助で会社に利益をもたらしたことはない」と決定に反論しました。

またヨーロッパ委員会は、アメリカのIT企業アップルに国家補助を行っていたとしてアイルランド政府に対して去年、130億ユーロを追徴課税するよう命じましたが、実行に移していないとして、EU司法裁判所に提訴することも発表し、多国籍企業が課税を逃れようとする動きに厳しく対応する姿勢を改めて示しました。
アマゾン「特別待遇 受けたことない」
アマゾン・ドット・コムの広報担当者は「ルクセンブルク政府から特別な待遇を受けたことはなく、ルクセンブルクと国際的な税法にのっとり、税を納めたと信じている。ヨーロッパ委員会の命令の内容を確認し、不服申し立てを含めて法的対応をとるかどうか検討する」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171005/k10011168111000.html