NHKの受信料を支払っていない人の住所を電力・ガス会社などから教わり、郵送で契約の締結を求めたい。この新しい制度についてNHK会長から意見を求められた有識者らが「合理性が認められる」と答えた。実現には法改正が必要だが、視聴者からは、早くも猛反発が起きている。「個人情報保護法違反だ」「テレビはいつからインフラになったのか」。国民の理解を得るには、時間がかかりそうだ。

情報照会に「合理性」

 「NHKは何が何でも国民から金をしぼりとろうと画策しているようだ」

 インターネットの短文投稿サイト「ツイッター」上には、この“居住者情報照会制度”の導入に批判的な書き込みが相次いでいる。

 「合理性が認められる」との見解を示したNHK会長の諮問機関は「NHK受信料制度等検討委員会」(座長=安藤英義・専修大大学院教授)で、5人の有識者でつくる。NHK会長の諮問に対する答申を9月12日、上田良一会長に提出した。

 答申などによると、NHKは電力やガス会社など公益事業者が持つ個人情報の提供を受け、郵送で契約締結を求める。「視聴者は(NHK職員の)訪問を受けることなく契約手続きを簡便に行える利点がある」と視聴者側の利益を強調する。

 一方、現在約8割という受信料支払い率の向上につなげることができ、受信料の「公平負担の徹底」の観点から「公益性・合理性が認められる」と結論付けたのだ。

 ただし個人情報保護のため、照会できる情報は氏名と住所に限るとした。

http://www.sankei.com/premium/news/171002/prm1710020001-n1.html