韓国半導体大手のSKハイニックスは28日、ソウル郊外の利川(イチョン)に研究開発センターを新設し、研究開発体制を刷新すると発表した。2000億ウォン(約196億円)以上を投じて新棟を建設。利川と韓国中部の清州(チョンジュ)に分散している拠点を1つに統合して研究開発の効率を上げる。

 新棟は地上15階、地下5階建て。4千人以上を収容できる。10月に着工し、2019年9月の完成を目指す。技術者同士が意思疎通をよりしやすい環境を整え、収益柱である世界2位のDRAMの強化や、東芝と共同開発している次世代メモリーの事業化につなげる。

 SKハイニックスの研究開発費は17年に過去最大規模の2兆ウォン超を見込む。半導体の進歩を支えてきた微細化は物理的な限界に近づいており、技術開発は難易度が上がっている。「革新的な次世代拠点をつくり未来に備える」という。

 同社の研究開発費は12年は8千億ウォン程度だったが、16年に初めて2兆ウォンを超えた。17年も上半期(1〜6月)に1.1兆ウォンを投じており、前年並みかそれ以上になる可能性が高い。

 SKハイニックスは27日に、3950億円を拠出して東芝の半導体メモリー子会社の買収に参画すると発表した。メモリー市場は、韓国サムスン電子が競合他社をリードして盤石ともいえる地位を築いた。SKとしては今後東芝と連携する範囲を広げ、サムスンを追撃したい思惑がある。
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