みずほ銀行とソフトバンクが出資するJスコア(東京・港)が25日、国内初となる人工知能(AI)を使った個人向け融資サービスを始めた。年齢や学歴などから信用力を自動で算出し、融資額や金利を個々人ごとに提示する。若年層を中心に開拓していく戦略で、消費者金融業界などにとって脅威になりそうだ。

 スコア・レンディングと呼ぶ手法で信用力を点数化する。年齢や最終学歴など18の質問に答えると、1000点満点で信用力を評価する。

 性格診断や趣味などについての任意の質問も140〜150ほど用意してあり、これらに答えると信用力の評価がより精密になる。借り手の返済意思や普段の金遣いなどを把握でき、情報精度が上がるためだ。

 これまでの個人向け融資は借り手の「現時点での収入」を重視した審査だった。収入の少ない若年層が申し込むと、融資額は少なく金利は高くなる傾向にあった。AIを使うと「将来の収入」も加味するようになり、若者層にも融資しやすくなる。

 貸出額は10万〜1000万円。貸金業の規制があり、年収の3分の1以上は貸さない。金利は年0.9〜12%と「業界最低水準」(Jスコア)だ。Jスコアは既存の消費者金融のような店舗がなく、従業員も数十人と少ない。コストの低さを生かして貸出金利も抑え、今後10年で融資残高5000億円超えを目指す。

 みずほがAIを使った個人向け融資を展開できるのは、消費者金融を手掛けていないので事業のバッティングを気にしないでいい、という事情もある。他のメガ銀は消費者金融事業を抱えており、「AI融資に進出するのは容易ではないはず」とみずほではみている。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGC25H0N_V20C17A9EE9000/