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マッキンゼーの日本支社長からカーライル・ジャパンの共同代表を経て、現在早稲田大学ビジネススクール教授を務め、今年7月『経営の針路』を上梓した平野正雄氏。かたやマッキンゼーで採用担当を務めたのち、組織・人事コンサルタントとして活躍し、著書『採用基準』、『生産性』で脚光を浴びる伊賀泰代氏。共にマッキンゼーで働いた2人が公の場で初めて対談。大局的な世界経済の流れ、日本企業が生き残るために今後取るべき方策、世界に通用する人材の育て方などを、縱横に語り合ってもらった。前編では、日本企業が海外展開で失敗するのはなぜか、その根源的な理由に鋭く切り込み、今後日本企業がとるべき方策を提言しています。
中略

伊賀 自動車産業などごく一部を除き、そもそも世界でトップをとろうとまじめに目指している企業の数自体も、日本の経済規模を考えれば少ないですよね。日本企業がアジア諸国を製造拠点ではなく消費地として真剣に考え始めたのは、日本の市場が本格的な縮小傾向に入ったここ10年弱のことではないでしょうか。

 米国や中国だって国内市場は日本以上に大きい。それでも経営者の志は非常に高く、最初から世界を目指す企業が多いけど、日本の場合、国内市場がいよいよダメになり、お尻に火が付いたから国外に出ますといった趣です。

 平野さんの本にもあるように、日本企業は「大成功するより潰れないことが大事」で、「企業存続」が経営の目的にさえなってしまっています。事業の取捨選択や業界再編が進まないのもそこに理由があるし、上場を維持するため、もっとも有望な事業を売り払おうという判断もその類型にあるものと思えます。
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