http://www.nikkei.com/article/DGXLASDX11H0M_R10C17A7FFE000/

2017/7/11 21:35
中国 香港

 【香港=粟井康夫】香港の有力英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)のゲーリー・リュー最高経営責任者(CEO)は11日の講演で「人工知能(AI)は読者がニュースを見つける方法と、自動記事作成の2つの面で報道機関に大きな影響を与えるだろう」と述べ、デジタル分野に積極投資する考えを示した。

 リュー氏は米ソーシャルニュースサイト「Digg」の元CEOで、2017年1月にSCMPに転じた。「ありふれたニュースは機械によって正確に書かれるようになる」と述べ、AIの普及でジャーナリズムに求められる役割が大きく変わると強調した。

 中国の電子商取引最大手、アリババ集団は16年春、SCMPを買収し、デジタル版の記事閲覧をすべて無料にした。アリババの蔡崇信・副会長は「収益化は10年超の単位で考えている。当初3年間は読者のアクセスを広げるのが大事だ」として、中国に関心のある英語圏の読者層を開拓するため無料を続ける一方、将来は購読料を徴収する可能性もあると語った。

 香港のスタートアップイベント「RISE」で発言した。