http://www.jiji.com/jc/article?k=2017060800950&;g=int


 【パリ時事】パリで開かれた経済協力開発機構(OECD)閣僚理事会は8日、地球温暖化対策の枠組みを定めた「パリ協定」の扱いについて直接言及せず、急速なグローバル化の弊害を指摘する閣僚声明を採択して閉幕した。パリ協定からの離脱を表明し、「自国優先」の姿勢を強める米トランプ政権に配慮した可能性がある。
 閣僚声明は、米国と他のOECD加盟各国の主張に温度差がある自由貿易や気候変動の問題について「議長声明で別途記述する」と記した。議長声明は、パリ協定で目指す取り組みの「迅速な実行が必要だ」と重要性を強調したが、全加盟国からの了承は得られていないという位置付けだ。
 また、閣僚声明はグローバル化に伴う経済成長によって「数億人が貧困から脱することができた」と一定の恩恵を認める一方で、グローバル化は「万人に利益をもたらしたわけではない。急速な変化の影響に今以上に注意を払う必要がある」と警戒感をにじませた。
 閣僚理はOECDに加盟する日米欧など35カ国で開催。5月に任命された米国のライトハイザー通商代表部(USTR)代表らが出席し、日本からは薗浦健太郎外務副大臣が参加。議長国はデンマークが務めた。 (2017/06/08-23:38)