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FX Forum | 2017年 05月 31日 11:34 JST 関連トピックス: トップニュース
竹中正治
竹中正治龍谷大学経済学部教授
[東京 30日] - 日本経済は4半世紀ぶりの人手不足となった。失業率は2.8%(4月)まで下がり、有効求人倍率は1.48倍(同)といずれも1990年代初頭までさかのぼる水準だ。

ここまで来ると賃金が上がり、消費の増加を伴ってインフレ率が上がっても良さそうだが、消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前年同月比0.3%(4月)にすぎず、低インフレから日本は抜け出せていない。

一方、米国でも2008―09年の大景気後退からの回復過程で低インフレが続いたものの、今や消費者物価上昇率は2%台に乗り、緩やかな金利引き上げに加え、非伝統的金融政策で膨張した米連邦準備理事会(FRB)のバランスシートの正常化が視野に入り始めた。

何が日本の低インフレ脱却を阻んでいるのか、またそれが円相場や株価に意味することを考えてみよう。

<他の先進国に比べ悪くない日本経済>

日本の2013年以来の平均実質国内総生産(GDP)成長率は1.3%(年率、2017年1―3月時点)、所得に注目した実質国民総所得(GNI)は1.7%(年率)である。一方、米国の同期間の平均実質GDP成長率は2.0%だ。

もっとも、日米では人口増加率に違いがあるので、1人当たり実質成長率で比較すべきだろう。2013―16年の期間について1人当たり実質GDP成長率で見ると、日本1.3%、米国1.3%、ドイツ0.6%、フランス0.4%であり、日本は欧州主要国を凌駕し米国と並んでいる。

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