http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS31H0B_R30C17A5MM0000/?dg=1&;nf=1

2017/5/31 11:08

 経済産業省が31日発表した4月の鉱工業生産指数(2010年=100、季節調整済み)の速報値は前月から4.0%上昇し、103.8となった。2カ月ぶりに前月から上昇した。消費増税の直前に駆け込み需要への対応で生産が急増した14年1月の水準を上回った。国内向けの新車生産が増えた自動車が全体をけん引した。


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 経産省は基調判断の表現を前月と同じ「持ち直しの動き」に据え置いた。業種別に見ると、全15業種のうち11業種で前月の生産水準を上回った。

 自動車を含む輸送機械工業は10.8%上昇。普通車から軽自動車まで幅広く乗用車の生産が増えたほか、エンジンなど自動車部品も伸びた。

 スマートフォン(スマホ)の高機能化やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の普及など世界的なIT(情報技術)需要も生産を押し上げた。はん用・生産用・業務用機械工業は9.2%上昇。アジア向けの半導体製造装置などが好調だった。メモリーなど半導体を含む電子部品・デバイス工業も5.2%上昇だった。

 一方、情報通信機械工業は1.3%低下。固定通信装置などが振るわなかった。

 生産の先行きには一服感も見えつつある。メーカーの先行き予測をまとめた製造工業生産予測調査によると、5月は2.5%の低下を見込む。自動車などの輸送機械で大型連休による生産ラインの一時停止が例年より長かったほか、新車効果が一巡する影響で15.6%の低下を見込む。

 ただ輸送機械を除く資本財は5月に2.4%、6月に1.4%の上昇をそれぞれ見込む。海外向けの機械需要などが下支えしているとみられる。