大阪市内の都心部と周辺部における児童の偏在に、市が頭を悩ませている。市内全体の児童数はピークから半減する中、都心部ではマンションの建設ラッシュなどで急増し、
小学校の校舎不足が表面化しているためだ。14年後には鉄道新線「なにわ筋線」が開通し、中間駅ができる市内中心部はさらに児童数が増えることが想定され、
吉村洋文市長は29日、10〜20年後を見据えた抜本的対策の検討を指示した。(佐藤祐介)

 市教委によると、平成28年5月時点の市内の小学生の数は約11万3千人で、昭和54年の約24万2500人と比べ、半数以下に減っている。
都心部の北区や西区、中央区では、5年後の平成34年度、小学校約30校で教室が計約140室不足する可能性があるという。

 背景には、マンションの都心回帰がある。市内では昭和40〜60年代にかけて都心部の地価が高騰。
郊外に移り住むことで中心部の人口が減少する「ドーナツ化現象」が進み、小学校の廃校・統合が進んだ。

しかしバブル崩壊後、これら3区では古い雑居ビルが取り壊された跡に相次いでマンションが建てられ、これまで割安感があった郊外型マンションが、資材価格や人件費の高騰に伴って価格が上がり
「共働きで都心部の物件を買う方が得策と考える夫婦が増えた」(不動産会社関係者)という。

不動産経済研究所大阪事務所によると、西区では53階建て888戸のマンションが平成27年1月に竣工(しゅんこう)。
北区の中之島では今年10月、55階建て894戸のマンションが完成予定で、地下鉄御堂筋線中津駅周辺(同区)では分譲を始めたものも含め計3棟(約400〜650戸)の建設が進む。
同事務所の笹原雪恵所長は「市内の中心地となる3区では居住用であれ投資用であれ、需要は高まっている」と分析する。

【続きはサイトで】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170530-00000094-san-soci