半導体メモリー事業の売却を急ぐ東芝が、生産面で協業する米ウエスタンデジタル(WD)に反論する書簡を送っていたことが9日、わかった。
東芝に入札手続きの停止を求めているWD側に対し、東芝側は売却する権利があると反論した。
両社は合弁契約の解釈を巡って対立しており、同事業の売却手続きが遅れている。

 東芝は3日付でWDに書簡を送付した。

 WDは2016年5月に米サンディスクを買収した際に、東芝との提携関係を引き継いだ。
サンディスク買収時にWDは東芝との合弁契約にサインしていないと東芝側は主張。
15日までに入札に関する「妨害行為」を停止しなければ、東芝とWDで共同運営する四日市工場(三重県四日市市)からWDの技術者を閉め出すと警告した。

 東芝が売却手続きを進める入札では、WDのほか同業の韓国SKハイニックス、米ブロードコム、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が買収候補として残っている。
米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)と官民ファンドの産業革新機構も名乗りを上げている。

 WD側は4月の書簡で入札手続きの即時停止と独占交渉権を要求していた。
8日から来日しているWDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)は東芝との面会の予定はなく、経済産業省などと協議する予定だ。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ09HYQ_Z00C17A5TI1000/