ヤマハが1日発表した2017年3月期の連結決算は、純利益が前の期比43%増の467億円と過去最高だった。円高による収益の目減りがあったものの、楽器事業や音響機器事業で経費削減が進み、採算改善が進んだ。繰り延べ税金資産を計上したことも利益を押し上げた。

 売上高は6%減の4082億円だった。円高や音楽事業の財団法人への移管が響いた。一方、営業利益は9%増の443億円だった。売上高営業利益率は10.9%と、前の期(9.3%)から改善した。記者会見した山畑聡取締役は「地域や商品ごとに見極め、値上げを実施しながら適正価格化を進めている」と説明した。

 18年3月期の連結営業利益は9%増の485億円と、過去最高を見込む。楽器や音響機器事業での採算改善を目指す。売上高営業利益率は11.4%を見込む。想定為替レートは1ドル=110円、1ユーロ=120円とした。一方、純利益は前年に繰り延べ税金資産を計上した反動が出て17%減の390億円と減益を見込む。年間配当は56円と、前期実績から4円積み増す。〔日経QUICKニュース(NQN)〕


2017/5/1 16:15
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL01HIL_R00C17A5000000/