米テスラモーターズとパナソニックが共同運営する「ギガファクトリー」(ネバダ州)で4日、電池の量産が始まった。パナソニックが電池を製造し、テスラがいくつかをまとめてパックにして電気自動車(EV)などに使う。電池製造からパッケージングまで手がけることで、テスラは電池パックのコストを従来に比べ3割以上引き下げる。

 コスト削減によりEVの価格も引き下げて普及につなげる狙い。同日、記者会見したテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は「EVを安く提供するのにギガファクトリーは欠かせない」と強調した。これまではパナソニックが日本で電池を製造してテスラが米国で電池パックに組み立てており、輸送費の負担が大きかった。

 ギガファクトリーで作る電池は、2017年中に生産が始まる予定の量産型EV「モデル3」に搭載される。この車は価格が3万5000ドル(約410万円)と他のテスラのEVに比べて手が届きやすい価格設定だ。16年3月の予約受け付け開始以来、すでに37万台超を受注している。

 記者会見に同席したパナソニックの津賀一宏社長は「量産が始まった設備については5年で償却できる」と明らかにした。同社は最大16億ドル(約1800億円)分の設備投資を段階的に進める計画で、投資回収は順調に進むとの見方も示した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ05HRE_V00C17A1TJC000/