DMG森精機は中国で工作機械の補修部品の供給体制を拡充する。上海事業所の敷地内に部品の保管と発送をするパーツセンターを新たに設ける。既存施設は保税区にあり、入出庫などの手続きに時間を要することがある。中国は注文から24時間以内の出荷率が75%で、日本やドイツに比べ低い。このため11月に施設を完成させ、3年後をめどに出荷率を日独と同じ95%に引き上げる。

 上海事業所ではまず、24時間以内の出荷率を80%に高める。ほかにもアフターサービスの充実に力を入れており、サービス員全員分となる100台の専用車両を配備したところだ。

 DMG森精機は生産拠点だった上海事業所を再開発している。11月の本格稼働を目指す。パーツセンターのほか、工作機械とロボットなど周辺装置を一度組み合わせ、稼働テストをする施設、加工提案をするテクノロジーセンターを新設する。同センターには航空機産業を意識し、複雑な加工を高効率でできる5軸機コーナーと、アディティブマニュファクチャリング(付加製造、AM)に特化したコーナーを置く。

 同社は2016年に日本、欧州、中国の生産を再編した。中国では上海から天津工場に集約。現在、市況が好転し、天津の生産はほぼ能力いっぱいの月産約30台で稼働中だ。さらに増員、増産を検討している。

日刊工業新聞電子版 4/30(日) 9:00配信
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