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[東京 12日 ロイター] - イオン(8267.T)は12日、2018年2月期の連結営業利益が前年比5.6%増の1950億円になるとの見通しを発表した。ダイエーの黒字化を見込むほか、総合スーパー(GMS)事業の構造改革も寄与する。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト10人の営業利益予測の平均値は1988億円となっている。

18年2月期の営業収益は同1.1%増の8兆3000億円の計画。

同社は、2020年2月期を最終年度とする中期経営計画も発表。イオンリテールとダイエーの構造改革を完了させるほか、赤字会社の方向付けや戦略的再編、事業基盤の刷新も進める。中計に数値目標が示されなかったことについて、岡田元也社長は会見で「多くの変革をしなければならない。少し時間をかけるべきと思っている」と述べた。

イオンリテールの岡崎双一社長は、価格政策について「全部を値下げで追い求めるのではなく、価値訴求は価値訴求、コモディティは何とかより安くと、メリハリを付けている」と説明。3月、4月の値下げに続き、5月に電気代が上がることから「その頃に向けてもう1度考えている」と述べた。

17年2月期の連結営業収益は前年比0.4%増の8兆2101億円、営業利益は同4.4%増の1847億円になった。営業利益は、会社計画の1900億円を下回った。

主力のイオンリテールは、粗利益率の高い商品の比率を高めて利益率の改善を図ったほか、経費削減効果もあり、17年2月期は前期比35億円の利益改善となった。総合金融事業やドラッグ・ファーマシー事業も順調に拡大した。一方、国際事業は、マレーシアの消費の冷え込みの影響などから赤字幅が拡大した。

店舗などの固定資産の減損損失400億円を計上したものの、純利益は同87.3%増の112億円と増益を確保した。

同社は、17年2月期を最終とする中期計画の中で、営業収益は8兆円以上、営業利益は2800億円以上という目標を掲げていたが、営業利益はこれを大きく下回る結果に終わった。

(清水律子 編集:山川薫)

2017年 4月 12日 7:21 PM JST