◼劇作家・鴻上尚史氏 「セクシー田中さん」の問題に言及「問題は出版社とテレビ局」


劇作家・演出家の鴻上尚史氏(65)が「X」(旧ツイッター)を更新。「セクシー田中さん」の原作者で漫画家・芦原妃名子さんが死亡した問題に言及した。

 芦原さんは、昨年、日本テレビでドラマ化された「セクシー田中さん」の脚本をめぐって制作者側とトラブルになり、その経緯をSNSに投稿した。その後、投稿を削除。1月29日に栃木県内で芦原さんの遺体が発見された。

 芦原さんの悲劇が明らかになった後、今回の問題について脚本家や漫画家の投稿が目立っている。鴻上氏はドラマ化・映画化された「海猿」をめぐるトラブルについてつづった漫画家・佐藤秀峰氏と投稿を引用し「痛ましい出来事の激震が続いています。僕自身、原作を提供したこともあるし、脚色したこともあります。僕はずっと今回の悲劇を『原作者と脚本家』の問題にしてはいけないと思っていました」と自身の立場を説明。

 続けて「原作者さんの中には、『絶対に変えないで欲しい』と要望する人もいるし『おまかせします』と言う人もいます。それは、いいとか悪いの問題ではなく、原作者さんの個人の判断です。問題は、『変えないで欲しい』という原作者さんの意向をちゃんと出版社が伝えたかどうかです。そして、それをちゃんとテレビ局が受け止めたかどうかです」と指摘。

 さらに「そして、もっと大切なのは、その要望が違っていた時に、それに対して対応するのは、原作者個人ではなく、原作者側に立つ出版社であり、その変更の要望を対応するのも、脚本家の前にテレビ局、つまりプロデューサーです。プロデューサーが『絶対に変えないで欲しい』という原作者さんの意向をどれぐらいのレベルで伝えたのか。そして、出版社は、どれぐらいの熱意で、その言葉をテレビ局に伝えたのか」とテレビ局側の窓口のプロデューサーと原作者側の窓口だった出版社側の間で、原作者側の思いがどの程度伝わっていたかが重要だとした。

 その上で「そこを問題にしないまま、『原作を変えることは是か非か』という論点にシフトすることは、意味がないと僕は思っています。この佐藤秀峰さんの文章は、はっきりと出版社もテレビ局も、原作者の意向を無視し、原作者の立場を守ろうとしていないという痛切な事実が綴られています。その経済的な要求と脚本家の立場をイコールにしてはいけないと思います。問題は、原作者と脚本家ではなく、出版社とテレビ局です。そう思います」と自身の見解をつづっている。

2/4(日) 17:32配信 東スポ
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