2018/09/25 09:15プレジデントオンライン

成功したビジネスパーソンで「経済」に疎い人はいない。経営コンサルタントの小宮一慶氏は「それは日々報道される“数字”をもとに、自分で仮説を立て検証しているから」という。
たとえば「東京五輪で景気がよくなる」と話す人は、どんな仮説に基づいて話しているのか。「経済」に詳しくなる最初の一歩を紹介しよう――。


■経済に弱い人は、少し話せばすぐバレる

経済の基礎1【経営を左右する「外部環境」をチェックする】

ビジネスパーソンに必須のリテラシーとして、前回は「会計」について解説しました。これに続き、今回は「経済」について説明していきます。社会人として働いているのだから、そんなことは知っている、と思う方もいるでしょう。しかし、その知識は“本物”でしょうか。

ひとくちに「経済」といってもその範囲は広く深いものがあります。その仕組みの一端を知る上で、企業活動である「経営」とは何かを理解する必要があります。会社を立ち上げ、事業を継続する。
その際、もっとも重要なのは「企業の方向付け」です。簡単に言えば、企業として「何をやり、何をやらないのか」という戦略や戦術を考えることです。

この「企業の方向付け(戦略)」をどうやってやればいいのか。これが難しいのです。企業経営のやりくりは大変ですが、それ以上にこの方向付けが肝になる、と私は考えています。

「企業の方向付け(戦略)」を立案する時のベース。それは、その事業が儲かるか儲からないという次元ではいけません。そのベースは、企業の「存在目的(ミッション・ビジョン・理念)」であることが理想です。ピーター・ドラッカーも戦略立案はまず「目的」からスタートするべきだと述べています。

それが決まったら、次は「外部環境分析」と「内部環境分析」です。始めようとするビジネスが「環境」にフィットしているかを確認するのです。

外部環境とは、「マーケットの規模」「ライバル企業の動向」「人口動態の状況」「法制度」といった要素。いずれも一企業ではコントロールできないことで、
企業の短期的かつ中長期的な財政状況にも大きな影響を及ぼします。「会社」という字は「社会」という字の反対ですが、どんな会社でも社会の短期的・中長期的な流れには逆らえないのです。

一方、内部環境とは、「ヒト・モノ・カネ」など企業が保有している“資源”のこと。それにより、ライバル社などと比べて、自社はどういう強み・弱みを持つのかが分かります。

内部環境や外部環境をどう分析するか。経営上、両方の正確な分析が重要ですが、トップの見る目のセンスが試されるのは外部環境のほうかもしれません。

私は、主に企業経営者向けの講演の中で、古代中国の書物『易経』に書かれた「治に居て乱を忘れず」ということをよくお話します。これは、「平穏で順調な時であっても、万が一の時のための用意・心構えを怠ってはいけない」という教えです。

現在、日本経済は戦後2番目の長さの景気拡大期で、もし、来年(2019年)1月まで景気拡大が続くと「戦後最長」となります。現状のような経済環境がこれからも続くと考えて、設備投資やM&Aなどの方向付けを行うと、痛い目にあうかもしれません。

教訓となるのは、1986年〜89年頃までの「バブル期」です。過大投資した会社や銀行が、その後、次々と破綻に追い込まれました。
また戦後最長の景気拡大は、2002年からリーマンショックの前年の2007年にかけてですが、その時期に、借入でM&Aを手掛けた企業の多くは、その後、厳しい経営を迫られました。

■GDPを理解していないビジネスパーソンが多い
     ===== 後略 =====
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