2018年9月8日 8時37分 朝日新聞デジタル
ミラノにオープンしたスターバックスには、コーヒー豆を量り売りするコーナーも設けられた=7日、河原田慎一撮影
写真拡大



 世界最大のコーヒーチェーン「スターバックス」のイタリア1号店が7日朝(日本時間同日午後)、ミラノにオープンした。

 バールと呼ばれる喫茶店で濃いエスプレッソコーヒーを飲む文化が根付くイタリアで、世界78カ国に約2万8千店を展開する米大手チェーンが受け入れられるのか。市民の間では賛否両論の意見があるようだ。

 場所はミラノ中心部の大聖堂近くで、開店前に約50人の客が並んだ。午前9時の開店と同時に、ハワード・シュルツ名誉会長が店の入り口を開け、
店員が拍手で客を迎え入れた。自家焙煎(ばいせん)による希少なコーヒーを用意し、ミラノのパン店と提携した軽食を提供するなど、コーヒー文化の本場を意識している。

 スターバックスにとってイタリアは、シュルツ氏が1983年に訪れたことを機に米国へエスプレッソ文化を持ち込み、後に世界的チェーンとなるきっかけとなった国だ。シュルツ氏は6日、「ミラノでの出店で、スターバックスの歴史は原点に返ってきた」とコメントした。

 現地の一部メディアは「米大手チェーンの侵略だ」と報じたが、ミラノ市民の受け止めは様々だ。

 バールで友人と過ごしていた大学生ダミアーナ・トルトネーゼさん(24)は「米国のコーヒー文化を経験するのは楽しみ。ただ、おいしいコーヒーを飲みたい時はいつものバールに行く」と話した。
別のバール店員ブルーノ・デグランディさん(45)は「イタリアでも、紙のカップを外に持ち歩く文化が広がってきた。客が取られないか心配だが、視野を広げるためにも行ってみたい」と語った。(ミラノ=河原田慎一)

http://news.livedoor.com/article/detail/15275420/