2018/06/25 06:00:00
新幹線を使いこなす
第7回
新幹線の車内販売活用法! 元パーサーがワゴンの知られざる秘密を紹介
古谷あつみ

「車内販売」は新幹線の旅のお供に欠かせない。そこで今回は、東海道新幹線の車内販売の便利な活用法を紹介したい。

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走る車内で様々な商品か買える車内販売は便利



東海道新幹線で働くパーサーたち

筆者には、東海道新幹線で車内販売員をしていた経験がある。車内販売員は「アシスタントパーサー」や「パーサー」と呼ばれ、車内販売のみならず、グリーン車の改札業務や、車内巡回など様々な役割を担っている。
日本の大動脈を移動する乗客の移動をより快適なものにするため、日々努力しているのだ。なお現在は、東海道新幹線の「こだま」での車内販売はなくなり、「のぞみ」「ひかり」のみのサービスとなっている。


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現在、東海道新幹線の「こだま」では、車内販売を実施していない

そんな車内販売員が、楽々と押しているように見えるワゴンは、商品を満載した状態では、実は大人の体重ほどもある。車内販売は重労働なのである。


気になるワゴンの中身は?

ワゴンには、乗客のニーズに応えるため、様々な商品が乗せられている。いったいどんなものが乗せられているのか、紹介しよう。

まず、駅弁やサンドイッチ類、おつまみやお酒類、ソフトドリンクだ。駅で弁当を買い忘れても、車内で購入することもできる。そして、お菓子やアイスクリームなどのスイーツ類は、ほっとひと息つく時間には欠かせない。ここまでは、お馴染みだと思うが、他にも乗せられている商品がある。

「そんなものまで?」と驚かれるのは、スマートフォンの充電器や雑誌など。車内にはコンセントはあるが、充電器そのものを忘れた場合に、とても便利である。駅などで訪問先への手土産を買えなかった人に便利な、沿線の土産物類が乗せられているのもうれしいところ。


ワゴンに隠された工夫

これらの商品が積まれたワゴンであるが、そのワゴンそのものにも、より良い商品を提供するための工夫が詰まっている。例えば、冷たい飲み物への配慮だ。

ワゴンに載せられている冷たい飲み物は、出発時間まで冷蔵庫で冷やされている。安全を考えると冷蔵庫を搭載したワゴンで販売するのは難しいが、冷たい飲み物が入れられた引き出しには保冷剤が入っており、飲み物を冷たいまま提供できるよう工夫されている。

アイスクリームももちろん溶けないようにされているが、そちらは保冷にドライアイスを使っている。車内には冷凍庫がないためであるが、それゆえ、販売されるアイスはカチコチになっているのだ。「食べ頃まで10分ほどお待ちください」というところだろう。

また、アイスコーヒー用の氷も載せられているが、酒類を注文した場合にも、カップと氷もお願いすることが可能だ。夜の晩酌にはうれしいサービスである。ホットコーヒーはもちろんポットに入っているが、そのコーヒーは車内の車内販売基地(11号車にある)で淹れている。


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東海道新幹線のN700系の場合、11号車の「N700A」というロゴの部分に車内販売基地がある


ワゴンそのものも乗客に商品が見えやすいよう形状が工夫された結果、三段に分かれた棚になっている。最近では、ワゴンに貼られたPOPにメニューが記載されているので、参考にしたい。


お得なメニューもある

車内販売には、お得なメニューもある。まずはコーヒーチケットだ。ホットコーヒーは一杯320円、アイスコーヒーは一杯330円であるが、5枚綴りのチケットは1,350円。一杯あたり270円となり、このチケットを購入するとかなりお得だ。
チケットの使用期限は、購入した年の年末となっているので注意が必要。ただ、出張が多いビジネスパーソンなどであれば、使い切るのに苦労しないだろう。

5枚綴りのコーヒーチケットは、車内販売にて購入できる5枚綴りのコーヒーチケットは、車内販売にて購入できる
また、東海道新幹線の利用頻度が少ない人には、ラージサイズのホットコーヒーがある。通常サイズの約1.4倍入っており、370円となっている。

     ===== 後略 =====
全文は下記URLで

https://news.mynavi.jp/article/shinkansen-7/