お笑い芸人、タレント、政治家、作家……。
そして7日、また、民進党の山尾志桜里衆院議員の「不倫」問題が報じられた。
なぜ今、こんなに不倫報道が過熱するのか。

同日発売の「週刊文春」は「イケメン弁護士と『お泊まり禁断愛』」とのタイトルで、
山尾氏が妻子ある男性と密会していたと大きく報じた。
山尾氏は同日、離党を表明した。

民放各局のワイドショーや情報番組は7日朝からこの話題でもちきりだった。
例えば、テレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」は約45分を割いた。
出演者が、国会論戦で活躍した山尾氏についた異名をもじり、
「ジャンヌ・ダルクは最終的に火あぶりになるわけで」とコメント。
笑いがわく一幕もあった。

不倫報道は最近目立つ。
政治家では宮崎謙介氏、今井絵理子氏、中川俊直氏、お笑い芸人の宮迫博之さん、
俳優の渡辺謙さんや斉藤由貴さん、作家の乙武洋匡さんら多くの有名人が報じられた。
週刊誌のスクープなどをきっかけにテレビやネットで取り上げられ、謝罪を迫られるパターンだ。

いつの世にも不倫はあり、古今東西の文学の題材にもなってきた。
だが、メディアコンサルタントの境治さんは「それにしても、いまの報道の過熱ぶりは異常だ」とみる。
民放の在京キー局が、不倫報道にどれだけ時間を割いているかをデータ会社に依頼して調べたところ、
2014年、15年は30時間未満だったのに、16年に170時間に急増、今年は8月27日までで120時間に上り、
「この2年の突出ぶりが際立つ」という。

要因の一つはネットとテレビの相乗効果だ。

週刊誌がネットで不倫報道を予告するパターンが始まり、ある民放キー局幹部は、
「世の中の一大事のように報じるのはどうかと思う。
 だが、制作現場にとって、ネット上の反応が世間の関心事のバロメーターになっている。
 ネットが盛り上がると、テレビでも取り上げやすくなる」と語る。

写真:不倫と報道された有名人たちの例
https://www.asahicom.jp/articles/images/AS20170907004878_comm.jpg

以下ソース:朝日新聞 2017年9月8日07時00分
http://www.asahi.com/articles/ASK9765HJK97UTIL02R.html