昨年公表の国勢調査で日本の総人口が減少に転じ、人口減少の自治体をどのように舵取りしていくか実施した首長インタビューで、大阪府の松井一郎知事は、社会保障費が増え続ける中でも日本経済を成長させていくため、大阪が東京と並ぶもうひとつの極となる「副首都のようなポジションをつくりたい」と話した。また現在の中央集権や地方自治の制度を変えるには「すさまじいエネルギーが必要」と述べ、国に対しては「道州制に向けた憲法改正をすべき」と要望した。


人が集まる「活力ある都市をつくる」対策

 大阪府は、昨年公表の平成27年国勢調査で、前回の調査時より人口が2万6000人減の883万9000人(前調査比0.3%マイナス)となり、日本の三大都市圏では真っ先に人口が減少に転じたことがわかった。この結果に対し、松井知事は「少子化による人口減少は国、地方自治体が集まって、いかに子育てしやすい日本につくっていくかだが、これは一朝一夕でやれることではない」と説明。

 一方、東京一極集中で人口が流出する社会減に対しては、都市の力が弱まることがないよう、企業を呼び、働く場を増やすことや都市の資質を上げることで、人が集まる「活力ある都市をつくっていく」対策に取り組んでいるとした。

 加えて、人口減少に入った今後も、都市機能を高めていく狙いとしては、「これから増えていく社会保障を支えるには、東京一極だけでは脆弱で不安」、「大阪が二極として日本をけん引するエンジンに成長することが重要だと思って計画を立てている」とし、具体的には観光産業を新たな柱に据え、ものづくり製造業の強化、健康・医療研究機関とそれらの発信の場となる2025年大阪万博の誘致、人材育成のための高校私学実質無償化などの施策を「目の前の課題の処方箋」として挙げた。

 また、高齢者の都心回帰の動きなどに合わせた、都市構造つくり直しの必要性に触れたほか、インフラ機能の充実・強化を目指し、関西空港と梅田をつなぐ「なにわ筋線」といった府の“公共交通戦略4路線”実現に向けて始動、大阪中心部と京都・神戸のアクセスをひとつにすることで「多くの人が訪れやすくなる。企業が参入しやすくなる」と、人口減少期にも、成長のための「前向きな投資」の重要性を強調した。

つづく

THE PAGE 4/10(月) 10:10配信
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